河内農場の今後の作付けの方針
 
今年も順調に田植えが終わり、稲はすくすくと育っています。天候も良く、おいしいお米が収穫できると思うので楽しみです。

新米は例年通り9月の下旬にお送り出来ると思います。

☆あきたこまちR は作りません


 秋田県は全国に先駆けて、従来のあきたこまちの種子に重イオンビームという強い放射線を当てて種の遺伝子を改変し、カドミウムを吸収しない種を作りました。来年からあきたこまちの種はすべてあきたこまちRに変わります。

 この件について多くのお客様から電話やメールをいただきました。
私は毎年、残留農薬と放射能、カドミウムの検査をしていますが、今まで一度もカドミウムが検出されたことはありません。したがって、あきたこまちRに切り替えるメリットは感じません。カドミウムを吸収しないだけでなく、マンガンなど他の成分も従来のあきたこまちとは異なり、吸収しないそうです。それを従来と同じ「あきたこまち」という名前で販売することになります。

 スーパーなどであきたこまちと書かれた袋を見ても、それが従来のあきたこまちちなのかあきたこまちRなのかわからないと思います。なぜ従来のあきたこまちあきたこまちRを生産者に選択させ、消費者もどちらかがわかるようにしないのか?私の考えでは、それをするとあきたこまちRが売れなくなり、結果的にあきたこまち」の価格が下がってしまうからだと思います。
カドミウムが検出されない地域の米農家はRを作らなくなるので、わからないように一斉にRに変えてしまおうと考えているのではないかと疑っています。

 あきたこまちRも重イオンビームを照射して作られたとはいえ、これでできた米が放射能汚染されることはありませんし、食べても人間に危険があるとは思いません。しかし、私にとってメリットがなく、お客様も好んであきたこまちRを選ぶとも思えません。ですので、種が手に入る限り(他県の種子センターなどから購入予定です)従来の「あきたこまち」を栽培するつもりです。
来年、令和7年の種も確保済みですので安心してください。最終手段として自家採種も考えています。今年実験的に自家採種米で芽出しして育苗しましたが、購入した種と変わらない生育でした。

☆持続可能な米農家を目指して


現在、米農家は非常に厳しい状況にあります。米農家の平均年齢は70歳であり、5ヘクタール以下の米農家の98%が赤字経営という衝撃的なデータが出ています(5ヘクタールの農家は昔なら大百姓と言われました)。
肥料と燃料の高騰に加え、農機具の買い替えができず、コンバインやトラクターが壊れたら止めるという農家が多いのです。多くの農家は他の仕事をしながら兼業して農業の赤字を補填しています。この状態を見ている息子は後を継がず、廃業するしかないのです。
まあ、やめていく方から田んぼを借りて大規模にやる方も増えていますが、条件の良い田んぼ以外は作り手がいません。
大規模に米を作ると非常にコストがかかります。
まだ作るだけならトラクター、コンバイン、田植機があれば、後の乾燥調整は農協に出荷してカントリーエレベーター(共同の乾燥調整施設)に任せることもできますが、そうすると他の農家が作った米と混ざってしまい、自分のこだわり米を売ることができません。
そのため、自分でそれなりの規模で倉庫、貯蔵庫を建築し、乾燥機やもみすり機を持つには1億円以上の投資が必要で、設備投資を回収するのは大変なリスクとなります。

 将来、米不足が懸念されます。政府は米が足りなくなれば輸入すればなんとかなると思っているのでは無いかと勘ぐってしまいます、資本主義の日本で経営がうまくいかない米農家が淘汰されても仕方が無いと考えているなら、日本の食糧安全保障は終わってしまいます。  
※参照 https://www.youtube.com/watch?v=ItO-R-sYHIU

 私の親の時代は米を作るだけで、刈り取った後は農協に出荷して共同乾燥調整施設のカントリーエレベーターに出していました。
しかし、私が経営を引き継いでからは、将来に不安を感じ、倉庫を増築し乾燥機を導入しました。今ではカントリーエレベーターの業務も自分で行えるようになりました。
 それから私は自分の作った米を個人の消費者に食べてもらいたいと思い、精米機を購入し、自分で米屋も始めました。
 家族だけで3業種の仕事をこなしているので忙しいですが、お客様の声が聞けるようになり、とてもやりがいがあります。
息子もその姿を見て後を継いでくれ、今年お嫁さんも迎えることができました。設備投資も段階的に少しずつ行ってきたので、ここまでやれるようになりました。

☆去年の不作による米不足


 去年の大潟村はやや不作でしたが、新潟あたりが特に悪かったようです。
その影響で春以降、お米不足により取引価格が高騰しています(高騰と言っても、すでに農家を離れた米穀業者のところでの話なので、農家にはほとんどメリットはありません)。そのことをマスコミが取り上げたため、私のところにも注文が殺到しました。このまま販売していると、予約をいただいているお客様や常連のお客様に迷惑がかかるため、販売を制限してなんとかやりくりしています。

やはり、予約(定期発送)の方の米の確保が優先ですので、ぜひ今年の新米から定期購入(通年予約)してください。予約とはいっても、お米が余った月は今月いらないとか、減らすとかの調整はOKです。

☆稲作には最高の条件がそろう大潟村


大潟村の田んぼは区画が大きく、大規模に米を作付けすることができます。また、日本海沿いにあり風が強いため、稲の病気であるいもち病が発生しにくい場所です。また、西日本のようにジャンボタニシやウンカなどの害虫がいないため、殺虫剤を撒かなくても稲が全滅するような被害がありません。カメムシの被害はありますが、収穫が半減することはありません。

さらに、どんなに水不足になっても八郎湖の残存湖があるため水不足になったことがありません。
また、村内には川がないため、大雨で上流から鉄砲水のような洪水が来て村が浸水したこともありません。
この米作りに理想的な大潟村に、四国愛媛県からここを見つけて家族を連れて来てくれた私の父には感謝しています。そのスピリッツを絶やさずに、息子に引き継いでもらおうと思っています。